OPINION9古荘002

【提言】
<もし、過去に経験した資産価格の調整が、今後起きたら>

・平成バブル崩壊、リーマンショックを経験し、次回来るかもしれない経済ショックへの対応策について

■私は、前職において、平成バブル時に大変大きな損失を造りました。私が勤めていた会社は、本業があり、その本業の過去の蓄積と本業に大きな収益力があったので、会社は当時のバブル崩壊を乗り越えられました。

■私は、昭和60年台から平成初期まで、不動産の開発に携わっておりました。私は、用地買収、再開発(共同ビル)等の沢山の開発を行いました。当時その会社は、不動産開発を二本目の会社の収益の柱とする計画を持っていました。しかし、経済変動により、収益の柱になるどころか、損失の塊を作ってしまいました。

■当然、会社は、開発段階のプロジェクトから全く収入が得られません。当然ですよね、開発段階は、将来の果実を得るために資金を投入するだけで、開発期間にプロジェクトは果実を生みませんから。また、その会社は、賃貸用の不動産もあまり持っていなかったので、部門のみでは開発資金の金利負担すら出来ませんでした。同時に、出口価格が崩れると、その時点ではそのプロジェクトの採算も合わなくなりました。当時、部門が単独でプロジェクトの金利負担に耐えられ、経済変動の波を読み切り、10年以上長の長期スパンで計画を推進出来れば、その時の経済変動の波を吸収して採算が取れたかも知れません。しかし、その間の金利負担に耐えられる部門の収益を持っていないので10年なんて期間の設定は出来ません。また、経営陣は、一時的かもしれない含み損(経済変動により生まれた未実現損失)は好みませんでした。また、金融情勢も許さず、プロジェクトは一旦完成させ、その後、直ちにすべて売却することとなりました。私は、開発担当から損失処理担当に立場が替わりました。

■リーマンショック時は、投資の方法も変化し、SPCを使った損失限定型の投資となり、開発期間が短くキャッシュフローが早く始まる物へと投資の形が変わったので、リーマンショック時の影響は平成バブル崩壊時より軽微だったと記憶しております。ただし、フォワードコミット型のプロジェクトでの出口の倒産、SPCにおいては、LTVの問題等多くのことを経験しました。

■一方、私の周りには、個人の投資家が沢山居ります。この個人の投資家の行動はアッパレと言った感じを持っています。その理由は、
20年から30年で土地建物総ての投資金が回収できない投資はしない。
開発なんて考えていない。(果実のない元本には興味がない)
賃料は、遅効性があるのでマーケットが崩れても一気に賃料は下がりません。そのため、借金の返済への影響も少ないことを理解しています。
私の周りの投資家は、今現在は売り時で、買い場とは考えていません。因みに、バブル崩壊後とリーマンショック後は買い場と考えせっせと買っていました。

■近々来るかもしれない経済崩壊でも、私の周りにいる個人投資家には影響がないでしょう。と言うのも、現在、手持ち不動産の残高がここ数年の売却によって、ピークの半分以下になって居るからです。また、借入金は、所有不動産評価額の50%以下まで減って居ます。従って、現金を多く抱えて、借入金は返済により極端に減少して居ます。よって、借入金は例え金利が10%になっても返済出来るほどの少額になって居ますし、いざとなれば、保有している現金で、借入金の返済は可能な状況まで来ています。

■もし、近々経済崩壊が起こると、ある程度の資金を保有しており、総投資額の金利負担の出来る賃料収入を持たない企業で、かつ、現在進行中のプロジェクトの損失を限定的にしていない企業は思いもよらないことになるかも知れません。つまり、コーポレートで投資を行い、賃料収入ではなく、売買益に頼って決算を組み立てている会社、その会社等に資金を融通している金融機関には、試練が来るかも知れません。

■また、昨今は、人口減少・人口の集中(過疎化)・空き家問題等また、平成バブル並びにリーマンショック時とは違った変数が入ってきているので、不確実性の要素が更に増えて居ると思います。