【所感】
<真の不動産アドバイザーとしてRESAと共に行いたいこと>
・2020年の年頭に当たり、昨年を振り返り、今年、RESAの一員として取り組みたいことです。
■不動産相談会からの示唆
2019年下期に街頭相談会に初めて参加しました。まずは、その際に、皆様からお受けした相談が何故起きているのか、その本質は何なのかについて、書いてみたいと思います。
2019年9月から11月にかけて、東京都不動産鑑定士協会主催と多士業主催の街頭相談会に5回参加させていただきました。
私の担当は、「不動産の価格に関する相談」となっていましたが、不動産の相談は、価格のみの相談などというものはあるわけがなく、民法、税法、宅地建物取引業法、登記法、経済情勢(土地価格の予測)、相続問題、近隣紛争等多岐にわたる相談でした。
具体的に私が受けた相談を例示すると
①借地関係での相談
②立ち退きに関する相談
③賃借人が居なくなった部屋の明け渡しの相談
④1次相続は終わっているが2次相続の不安に対する相談
⑤相続人の居ない老人の将来の不安に対する相談
⑥相続税と納税に対する相談
等、多岐にわたっておりました。
今回の相談で感じたことは、人生で通常数度しかない高額な取引並びに問題解決をするに際し、基本的な知識を持ち合わせていない方がほぼ全員でした。また、本人は、専門的知識を備えていないとしてもその相談をする者が居ない、または、知らないという方が全員でした。当然ですよね、誰に相談していいか分からないので街頭相談会に来ているのです。中には、良く独学で勉強をされている人も居りました。しかし、残念なことに、基本的法律的知識のベースがない中で、借地借家法と所得税法のみを勉強しても最適な回答は得られません。また、学問として法律を知っていても折衝技術がないと相手がいる問題は解決しません。
私は、皆さんの相談に応じているうちに、気の毒に感じるようになりました。街頭相談会は、多くの方が来られるので、一人の対応時間は、30分と決められていて、皆様のお考えを聞くだけで、回答を出すところまでは到底及びません。
多分、近所の不動産屋さんに相談しても適切な回答は得られないでしょう。そればかりか、大変な不動産だから早く売却してしまいしょうなどと言う方向違いの回答も出かねないと感じました。
■リーサの理念の実現のための展開
いずれにしても、2020年の年頭に当たり、RESAの考えて居る「住宅が資産になっていないことが国民の豊かさを感じさせない大きな要因となっていますので、先ずは、住宅の購入を投資と考えて資産化することが重要です。」というコンセプトの一部を実現するために、RESA主体で、
①不動産とは何か
②不動産関係法規
③不動産税制
④不動産の価格の考え方
⑤問題点を解決する折衝術
等を、今年はRESAの理念を実現するためにRESAオピニオンの一員として協力していきたいと考えて居ります。
私は、RESAとは、不動産屋の集団ではなく、不動産に関連するプロフェッショナルがいる場所で、知識のない個人が気楽に不動産を相談できる場所を提供する組織と考えて居ります。また、RESAフォーラム等は、余りアカデミックな事、全社会的な問題の提起ではなく、初歩的な不動産の知識を一般大衆に知らせる場に変化していくことが当初のRESAの当初のコンセプトに合致するものだと思います。また、今後は、その様な場所を提供する時は、もっと積極的に参加する所存です。
私は、38年間不動産屋のような事を不動産鑑定士として実施して参りました。平成バブルでの不動産買い漁り、平成パプル崩壊後の処理(具体的には、会社の経営改善・清算、通常売却できない土地の売却、売却もままならない土地の商品化等)、不動産の証券化ビジネス、リーマンショック対応等様々なことを行ってきました。
今年は、RESAを介して、個人の方々の不動産のメンテナンスのお手伝いが出来ればと考えて居ります。