村上 敦

【オピニオンの視点】

日本における不動産、都市計画に関連するテーマであれば、その他の参加者の方々のほうが圧倒的に興味深い視点を提供できることでしょう。
ですから、この機会に私は、ドイツやEUの状況の整理、日本との対比(意味があるなら)、そして環境配慮型、持続可能性というポイントに注目して、日本の国民の資産形成を図るために必須であるはずの「住宅・都市・国土」について、「持続可能でないと思われる点」の整理をまずはしていきたいと思います。
私個人の考えとして、「持続可能でない」という課題を解決するために、全土に通用する解決策があるとは考えていませんので、とりわけ対象箇所を限定して(首都圏なのか、地方都市大都市圏なのか、地方中小都市なのか、農村なのか)、いくつかの課題解決のアイデアや事例などに踏み込めればとも思います。

【自己紹介】

【現在】 持続可能なまちづくりを考えるイニシアチブ「一般社団法人クラブヴォーバン」発起人・代表。

欧州から日本のエネルギーシフトを支援するコンサルタント「MIT Energy Vision社」共同代表。

建物の燃費性能を表示する「一般社団法人・日本エネルギーパス協会」発起人。相談役。

建物と都市計画の省エネを提案する「株式会社・日本エネルギー機関(JENA)」発起人。顧問。

【職歴】 1993年 4月 株式会社 不動建設(現不動テトラ) ジオエンジニアリング事業部 入社
首都圏における海上埋め立て工事、地盤改良工事における施工管理を4年間。
1997年10月 ドイツ/フライブルク大学独文科在籍(中退)
ドイツに渡り、大学に籍を置きながら、自身の興味である環境配慮型で、持続可能な交通計画、都市計画、エネルギー政策を独自に3年間調査。
2000年 4月 ブライスガウ・ホッホ・シュバルツバルト群役場 建設課 期間入社
移民向けのプログラムにおいて、当時在住していたフライブルク市近郊の農村を管轄する群役場の建設課において、建築申請関連業務を1年間。
2002年 4月 個人事業主として、オフィス村上を開所
子育てと並行して、インターネットの普及によって、日本の特定団体、事業者とのコネクションなしで、ダイレクトに顧客から業務依頼を受ける形で、環境・交通計画・都市計画・エネルギー関連事業の調査、執筆、講演、コンサルティングなどを柱とする個人事業をスタート。
2008年 4月 一社 クラブヴォーバンを設立
著書【フライブルクのまちづくり】出版後、ここで取り扱ったヴォーバン住宅地のような持続可能な開発を日本でも実現するためのネットワーク団体を設立。現在は普及・啓発関連の事業のみに留まらず、人口小規模自治体の持続可能な経営についてのコンサルティング、環境・都市計画・地球温暖化防止関連の計画策定業務を実施。
その他は②自己紹介を参照
【専門領域】 とりわけ欧州における環境配慮型で、持続可能な交通計画、都市計画、エネルギー政策、地球温暖化防止対策。および省エネ建築(新築、改修)。
【主な著書】 『進化するエネルギービジネス――ポストFIT時代のドイツ』(新農林社、2018年)
『ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか』(学芸出版、2017年)
『海外キャリアのつくり方』(いしずえ出版、2017年)
『ドイツの市民エネルギー企業』(学芸出版社、2014年)
『キロワットアワー・イズ・マネー』(いしずえ出版、2012年、改定文庫版2014年)
『欧州のエネルギー自立地域――100%再生可能へ!』(学芸出版社、2012年)
『フライブルクのまちづくり――ソーシャル・エコロジー住宅ヴォーバン』(学芸出版社、2007年)
『カーシェアリングが地球を救う』(洋泉社、2004年)など。
【主な訳書】 『メルケル首相への手紙』(マティアス・ヴィレンバッハー著、いしずえ出版、2014年)
『エコロジーだけが経済を救う』(フランツ・アルト著、洋泉社、2003年)

村上 敦のオピニオン【論評】【提言】一覧

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