水谷 敏也

【オピニオンの視点】

1.わが国で最も問題視されていることは、少子高齢化進行による国力の低下と財政問題だと思います。この点については、具体的な解決策に関する処方箋は余り描かれていないと感じております。一般には、保育園を作って待機児童をなくす、夫婦で育児をする仕組みを作る、外国人労働者を活用するといった政策が論じられているにすぎません。
2.一方、将来、少子化が進んでいけば何れ保育園が余ってくるのではないか、夫婦で育児をすることで企業負担が増えるのではないか、外国人労働者が増えることで治安が悪化するのではないか、といったネガティブな意見も聞かれます。いずれも、さもありなんという印象ですが、本当にそうなのでしょうか。このような市井の生活で起こっていることをテーマに掘り下げて考えて参りたいと思います。
3.また、昨今のインバウンドに伴う地方不動産市場の活性化等についても考えてみたいと思います。本来、不動産価値はその国や地域の経済力によって決まるとされてきましたが、日本の経済力が劇的に良くなったわけでもないのに、何故、地方の不動産市場が活性化したのか、今後の不動産市場を考えるうえで重要な示唆をしているのではないかと考えております。
4.ところで、建設業は、バブル崩壊のダメージが最も大きな業界のひとつでした。建設業の収益が何故劇的に立ち直ったのか、そしてそれが不動産業をはじめとする発注者にどのような影響をもたらしたのかについては余り言及されていない印象があります。構造的に大きく変化した業界について考えることはとても重要なことだと思います。
5.昨今感じているのは、金融機関のプレゼンスが大きく低下していることです。金融機関とは、預金・貸出・決済機能の集合体であり、それを実現するためにリサーチ、コンサルタント、ソリューションを提供するという組織だと考えております。残念ながら、リサーチ、コンサルタント、ソリューションの提供においては金融機関の優位性は失われており、中長期的には我々のような独立系組織体がプレゼンスを高められる機会が増していくと期待しております。

【自己紹介】

【現在】 一般社団法人 不動産総合戦略協会 客員研究員
【職歴】 1983年4月 、東京証券(現東海東京証券)入社
企業調査部門、運用部門、国際部門に従事。
2000年5月、国際証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社。
入社後は一貫して、建設部門担当アナリスト業務に従事。建設部門担当は30年余に達する。
【業績】 日本株建設部門アナリストランキング2007~2017年第一位(11年連続、殿堂入り)。
日経ヴェリタス アナリストランキング建設部門 2006~2011年、2013~2016年第一位。
*アナリストランキングとは、機関投資家の投票によって決まるものであり、米国金融誌 Institutional Investor誌の投票者は、米国、欧州、アジア、日本の機関投資家であり、日経ヴェリタスの投票者は、日本の機関投資家となっております。
【自己紹介】 証券業界に37年間にわたり在籍し、主にアナリスト業務に従事して参りました。建設業界担当は30年余に及びます。この間、株式市場は大きな変化を遂げて参りました。すなわち、長期視点に立った株式投資家の存在感が大きく低下し、短期視点に立った投資家が頻繁な売買を繰り返す市場になってしまいました。こうした現象は、世界各国同様であり、正に株式市場の存在意義が問われている状況になっております。
本来、長期視点に立ったファンダメンタルズ分析、企業・投資家との対話こそが株式市場の醍醐味であるはずですが、そうした意義が失われているように感じられます。こうした現象は、株式市場のみならず、不動産市場、企業経営、教育・文化・スポーツ、財政・金融政策、外交政策とあらゆる分野で起こっていることであり、今こそ長期視点に立った問題意識の共有が必要不可欠であると感じております。
私は、長きにわたって建設業界を見てきた観点から、①物事を長期的視点で考える、②常にコンセンサスに対して疑いの気持ちを忘れない、③事実に裏付けられた情報発信を心掛ける、といった3点をモットーに皆様とともにいろいろなことに取り組んで参りたいと思います。

水谷 敏也のオピニオン【論評】【提言】一覧

OPINION9水谷003

【提言】 <都道府県地価調査が示唆しているもの> ・不動産を評価する基準は、「値上がり益期待」から「如何に収益 […]

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OPINION9水谷002

【提言】 <人口減少社会に対する処方箋を考える> ・2020年以降は社会構造の変化が急速に進展する可能性があり […]

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OPINION9水谷001

<一人当たりGDPを増加させる施策を考える>   ・経済を活性化するためには労働生産性を向上させるこ […]

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